精油について

「精油」とは、と言う質問は資格をとる際に必ず出る問題です。
3つの協会で資格を取得しましたが、協会が違うと考え方や、使用精油も違い、アロマテラピー、アロマセラピーと呼び名も変わり、定義も変わります。
けれど「精油」の定義は同じです。精油(エッセンシャルオイル)と呼びますが、油ではなく、植物の果皮、花、葉、茎、種子、樹脂から採れる脂溶性で、揮発性、芳香性のある有機化合物(化学物質の濃縮物)です。

 

そもそも植物が作り出す芳香成分は、自分の生命を守り、子孫を増やすためのもので、あくまでも植物自身のためのものです。香りで虫を誘って受粉したり、香りを出して昆虫から身を守るのです。それを利用したのが虫除けスプレー(昆虫忌避作用)です。
昔からアロマセラピーはメディカル、スピリチュアルに利用され、様々な作用があります。ただし、植物にとっては不可欠なものでも、使い方によっては私たち人間や動物にとって毒にも薬にもなり、植物=安全ではない、と思って使用した方が、より安全だと私は考えています。
精油は、植物の種類、収穫場所、年、抽出によって香りや作用が変わります。
ラベンダーは鎮静作用があると言われていますが、成分分析でカンファーが含まれるものもあり、カンファーは鎮静とは逆の強壮作用です。ラベンダー精油を焚いてイライラを落ち着かせ眠ろうと思っても、興奮してしまったら逆効果です。
たまに気分転換で香りを使うだけだから100円ショップのものでいいという人もいますが、嗅覚は脳にダイレクトに働くことや、粘膜吸収や皮膚から浸透、吸収し血液循環へ、と考えれば品質にもこだわって使用したいものです。
植物のチカラを借りるのですから、せめて提供する私たちは、精油の良さや効果効能ばかりを語るのではなく、成分を理解し、副作用や禁忌、薬との相互作用をお客様に説明できなくてはなりません。
良い精油、植物オイル、ハイドロゾルを安心して使う為に、購入する際は必ずお店の方に聞くことをおすすめします。
 
そう思うと、日本では精油は「雑貨扱い」というのは残念です。

 

%e3%83%9b%e3%82%99%e3%83%88%e3%83%ab

 

最近、OEM企業を利用してアロマ製品を作り、販売しているという方にお会いしました。
OEMとはアロマ製品など化粧品製造などは薬事法に抵触することが多いので、個人でアロマ製品を作り販売したい方が委託し、製造してもらいます。

その方はアロマセラピーの知識は全くなく、JMOのようなパッケージに憧れて作った、と嬉しそうに話してくれました。オーガニックマークと成分分析表はお金がかかるからつけなかったそうです。ローズのブレンドオイルと呼んでいるのは、ローズゼラニウムのことでした。

ジャスミン&ローズのブレンドオイルより、ハイドロゾルの方が高いので理由を聞いてみると、「製造会社から値段は自分で設定していいと言われた」からだそうです。
有名なOEM企業なので、パッケージを見てすぐにどこかわかりました。いろんな話を聞き、本当にビックリとガッカリの連続。紆余曲折あったのですが、「でも雑貨だから」と言って帰って行きました。もちろん、商品の委託はお断りしました。

この商品、この人自体、禁忌だと私個人は思っています。OEM企業も仕事とはいえ全く知識のない人に作ってしまうのはどうなんでしょう。たとえ成分分析済みのオーガニック精油を使用していたとしても、販売する側に知識がなければ悲しい結果になってしまいます。
こんな人ばかりではないんです。ただみなさんがこんな商品に出会わないことを祈るばかりです。

 

精油について

Comment

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください